院長のつぶやき

1月17日は特別な日

 久しぶりに「つぶやき」を更新します。

 1月17日は阪神淡路大震災の日。平成7年の冬のことですから、もう22年になります。

 あの日は成人の日の連休明けの火曜日でした。未明でまだ寝ていた私は、大きな揺れにすごく驚いて目がさめました。起きて家の中を見ましたが、特に大きな被害がなく、クリニックでも絵の額が落ちてガラスにひびが入った程度。テレビをつけてもまだ被害の全体像がまったくわかっておらず、何が神戸や淡路で起こっているのかがわからないまま、診察を始めることになりました。

 その日はインフルエンザの流行がまさに始まった日で、前の年の8月に開院した当クリニックとしては初めての患者ラッシュで、午前の診察が終わったのが午後3時頃だったでしょうか。インフルエンザの流行といっても、その頃は皆さんおなじみの診断キットもなく、タミフルなどの抗インフルエンザ薬もない時代。どうやって診察していたんだろうと思うと、20年あまりの時の流れを感じます。あの日は待合室で2時間以上待って下さった患者さんもおられたはず。申し訳なかったと思います。

 午前の診察が終わってテレビを見たとき、あまりの大きな被害に本当に驚きました。6千人を超える方々が亡くなり、私が生まれてからは最大の天災になったわけですが、その後に東北の大震災があることはそのときは想像もできませんでした。

 最近も神戸に行くことがありました。あの日の状況を思うと、すばらしい復興をとげた街の姿に信じられない思いがしますし、いろいろな人の努力に頭が下がります。和歌山もいつ大きな地震に襲われるかもしれません。1月17日がくるたびに、そのことを思います。

(H29.1.17)

こどもの心の相談医

 このたび、こどもの心の相談医の資格を無事更新することができました。

 5年前に初めて取得して以来、ほそぼそとではありますが、こころの問題をかかえたこどもたちの相談にあたってきたことでいろいろなことを経験させていただきました。その上で、資格を更新するためには計4日間の講習をうけなくてはなりません。今年の5月と7月に東京へ行き、講習をうけてきました。講習ではたくさんの講師の先生のお話を聞くのですが、ある程度自分自身の経験があると講演の内容も実感をともなって理解できることが多かったように思います。

 今後も、こころの問題から学校に行けなかったり、発達障害をもっておられたりするこどもたちの悩みや困難に寄り添っていきたいと思っています。心配事のある方は、気楽にご相談下さい。

(H27.10.9)

水痘ワクチンのありがたみ

 水痘ワクチンが公費接種(無料で接種ができる制度)になって半年がたち、水痘(「水ぼうそう」のことですね)の患者さんを見ることがずいぶん少なくなりました。多くのこどもたちが水痘ワクチンを接種してくれたおかげです。

 水痘は軽い症状で終わることもありますが、思わぬ重症になって命にかかわることもなくはない病気です。今から30年ぐらい前、私が小児科医になった当時はワクチンは一般的には使われておらず、水痘の治療薬も使うことはできませんでした。そのため、身体中すきまがないくらいびっしり発疹がでたり、猛烈な高熱が何日も続くケースも、そう珍しくはありませんでした。

 山入こどもクリニックができた頃(今から20年前)には、水痘の治療薬(特効薬)が簡単に使えるようになりました。タイミング良く治療すれば、水痘はわりと軽い病気になったのです。その頃も、ワクチンは使うことができたのですが、有料だったため接種するひとはさほど多くありませんでした。現在になって、ついに水痘ワクチンをみんなが使えるようになったのです。ワクチンを1回だけ接種した場合は、接種していてもかかってしまうことがありますが、2回接種したときの効力は強く、ほぼ発病を止められるのではないかと期待されています。

 実は、水痘ワクチンを開発されたのは日本人の高橋先生という方です。このワクチンがすばらしいものだったので、世界中で広く接種されるようになっていました。今になって、やっと日本のこどもたちもその恩恵をうけることができるようになりました。ちょっと皮肉な話ですが、水痘ワクチンのありがたさを共有していきたいと思います。


ヒトメタニューモウィルスって何?

 最近流行していて、お母さんたちの話題にもなっているだろう「ヒトメタニューモウィルス」についてまとめてみました。

 1.ヒトメタニューモウィルスはかぜのウィルスの1種です。目新しい名前ではありますが、特別めずらしい病気ではありません。

 2.主な症状は発熱・せき・鼻水で、ふつうのかぜよりきつめの症状が出ます。症状はインフルエンザやRSウィルスと似ていますが、鼻水の検査(インフルエンザと同じやり方)で診断ができます。

 3.熱は2〜3日で下がりますが、4〜5日続くこともあります。高いときは39〜40℃になります。せきがひどかったり、ゼーゼーいったりするときは気管支炎になっているかもしれません。こじらせると、肺炎や中耳炎を起こします。

 4.残念ながら特効薬はありません。サポート的な治療をしながら、回復を待つことになります。

 5.ウィルスの病気ですから、保育所などで流行したり、家族(兄弟)間で感染します。


開院以来20年を過ぎて

 3月1日、岩出市から「保健予防事業推進功労者」の表彰をいただきました。表彰は「岩出市民ふれあいまつり」の中で行われ、市長さんから表彰状をいただくはずだったのですが、当日息子の結婚式だったために欠席をいたしました。ちょっと残念。

 表彰をいただいた理由は、ずばり、開院して20年間たち、岩出市(開院当時はもちろん岩出町)のお役に少しは立てたかなということだと思います。20年間はあっという間とも言えますが、この間にこどもの医療は、私たち開業医レベルでも大きく変化してきました。

 インフルエンザを例にとると、開院した頃はインフルエンザの診断キット(あの、鼻に綿棒を入れる検査ですね)もなく、タミフルやリレンザのような抗インフルエンザ薬もありませんでした。インフルエンザにかかれば4,5日から1週間は熱が続くのが当たり前で、薬といっても抗生剤をのむのが精一杯のところ。それが、今では、こどもたちでさえ熱が出て病院にくるときは「鼻の検査する?」と心配しているような状況です。抗インフルエンザ薬が足りなくて苦労した年もありましたが、近ごろはそんなこともありません。何年か前にあった新型インフルエンザ騒ぎものりきることができましたよね。あれがあと10年早く来ていたら、さぞかしたいへんなことだっただろうなと思います。

 このように、私たちが皆さんに提供できる医療サービスは年々向上しています。これからも、日々の勉強をおこたらず、最上の医療を提供できるようにがんばっていきます。


同時接種?単独接種?

 最近の予防接種は種類が多くなり、1回に複数のワクチンを接種する「同時接種」が小児科学会などから推奨されています。同時接種のメリットとしては、早く多くの病気に対する免疫(抵抗力)をつけることや、本人・保護者が病院に来る回数を減らせるといった点があげられます。デメリットとしては、副作用が多く出るのではという不安でしょうか。実際には、副作用がふえるということはなさそうなのですが。何回も注射されるのがかわいそうとお母さんの気持ちも十分わかります。

 山入こどもクリニックの現状では、90%以上の方が同時接種を希望されています。しかし、ワクチンをひとつひとつ接種していく「単独接種」を希望される方もおられ、それがいけないというわけではもちろんありません。よく考えていただいて、ご自分の素直な気持ちでチョイスしていただければいいと思います。

 ここでひとつ、見落とされがちなことを。「四種混合ワクチン」と俗によばれているワクチンがあります。百日咳・破傷風・ジフテリア・ポリオの4種類の病気に対するワクチンを含んだ混合ワクチンです。これを1本うつことで、注射の痛みは1回ですみますが、4本のワクチンを同時にうったのと同じことになります。ということは、「四種混合」を接種すれば、あまり意識しないうちに「同時接種」と同じことになっているんだなあということ・・・なんですね。